自閉症スペクトラムは治ることは無いが職場での理解が重要!
ここでは、「自閉症スペクトラムは治るのか?」についてお話します。
自閉症スペクトラム(自閉症)は先天性の障害です。
そのため、幼少期より療育に取り組んできた人は、
大人になって自閉症特有の症状が緩和されることはよくありますが、
「完全に治る」ということはありません。
また、知的障害が無かったり、あっても非常に軽度のために、
成人するまで診断されなかった人は「変わった人」と思われながらも、
学校生活を乗り切り社会に出たとたん、
人とのコミュニケーションをきちんと取ることが要求されるため、
うまく乗り切れなくなり二次的に精神障害を併発していることもよくあります。
自閉症スペクトラムの成人はどうしたらよいの?
まずは、二次障害の治療からになります。
出来たら二次障害の治療のみでなく、自閉症スペクトラムの対応も出来る、
精神科医にかかると変化の様子を長く診てもらえるので安心です。
自閉症スペクトラムの成人の周囲の人たちの心掛けることは?
まず、自閉症スペクトラムの特性を十分に理解しましょう。
その人の特性に応じた対応が必要になります。
自閉症スペクトラムの人たちが、社会に適応できるようなスキルを、
身につけるまでは時間がかかります。
大変なことですが、焦らず、信じて気長に待ってあげましょう。
特に次のようなことに注意してください。
1.人間性を変えようとしないで!
自閉症スペクトラムは先天的な障害で、人間性の問題ではないのです。
自閉症スペクトラムの人たちは否定的な言い方にとても敏感です。
同じ言い方でも肯定的な言い方をするよう心掛けてください。
たとえば、「そんなことをしたらダメじゃない!」ではなくて、
「こんなふうにやってみて!」といった風に、
「正しいやり方」へと導いてあげて下さい。
また、記憶力の良い人が多いので、失敗したことが忘れられず、
そのことから抜け出せなくて苦しむ人も多いのです。
出来るだけマイナス経験にならによう配慮しましょう。
2.言葉使いに注意してあげて!
自閉症スペクトラムの人たちは、言葉を字義通りに取ることが多いのです。
また、人の表情から感情を読み取ることも苦手です。
言葉はできる限り具体的なものにし、たとえば、
「適当にやって!」というようなあいまいな表現は控えて下さい。
また、声の大きさも気をつけましょう。
あまり大きな声で話されると、叱られているのかと勘違いして、
伝えたいことがなかなか伝わらない、ということになってしまいます。
3.長所を生かしてあげて!
自閉症スペクトラムの人たちは、
人並みはずれた高い能力を持っていることも多いのです。
そこを存分に発揮できるよう配慮したり、
周囲でしっかり評価してあげることが自信につながります。
4.スケジュールを上手く使ってあげて!
耳で聞いたことは忘れやすいので、
出来るだけ「視覚」に訴えるものを使ってあげて下さい。
また、自閉症スペクトラムの人たちは、臨機応変が苦手です。
予定は前もって伝えてあげて下さい。
「行き当たりばったり」にならないよう配慮してあげて下さい。
このように、知的障害を伴わない「自閉症スペクトラム」の方には、
成人の大人でしたら、特に「職場」での周囲の人々の理解と行動が、
大変、重要なポイントになって来ます。